「鎌倉殿の13人」尼将軍・政子の伝説が幕開け!第46回放送「将軍になった女」予習:4ページ目
がんばれトキューサ!時房の上洛
右京兆。相州。駿州。前大膳大夫入道參會于二品御亭。以忠綱朝臣被仰下條々。追可上啓之由被申御返事畢。急速無左右者。定背天氣歟之由。有評議云云。
※『吾妻鏡』建保7年(1219年)3月12日条
「さて、地頭の件はいかがしたものか……」
義時は北条時房(演:瀬戸康史。相州)・北条泰時(演:坂口健太郎。駿州)・大江広元(演:栗原英雄。前大膳大夫入道)を政子の館に集めました。
「早くお返事せねば、上皇陛下のご機嫌を損ねてしまう(急ぎ速くそうなくんば、定めて天気に背かんか)……」
鎌倉の命運を賭けた議論の結果、回答と親王下向のお願いを伝える使者として、時房に精鋭一千騎を預け上洛させます。
相州爲二位家御使上洛。扈從侍千騎云云。是今度以忠綱朝臣被仰下條々事勅答并將軍御下向事等也。
※『吾妻鏡』建保7年(1219年)3月15日条
そして伝えた返事がこちら。
……是幕下將軍時募勳功賞定補之輩。無指雜怠而難改由申之。仍逆鱗甚故也云々……
※『吾妻鏡』承久3年(1221年)5月19日条
※後日の回想なので、日付は先のもの。
「地頭職については、かつて頼朝公からいただいた恩賞ですから、これと言った罪もなくクビになど出来ません」
後鳥羽上皇がこれを聞いて怒らぬはずがありません。不敬にも朝廷と鎌倉を天秤にかけたばかりか、亡き鎌倉殿の遺志を優先するというのですから。
「それが鎌倉の答えか!」
……しかし「よろしい、ならば戦争だ」と兵を挙げるには、まだ武力が不足しています。時房率いる精鋭一千騎に恐れをなしたか、後鳥羽上皇もちょっとだけ譲歩しました。
「皇子は出せないが、然るべき公家の子なら鎌倉殿に認めよう」
そこで白羽の矢が立ったのは三寅(みとら)、後の第4代鎌倉殿・藤原頼経(ふじわらの よりつね)です。