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5歳で犬を斬り、15歳で人を斬る…武士道のバイブル『葉隠』が伝える子育てが過激すぎる

5歳で犬を斬り、15歳で人を斬る…武士道のバイブル『葉隠』が伝える子育てが過激すぎる

♪腰の刀は何する為ぞ
人を斬るため殺すため……(都々逸)

苗字帯刀とは江戸時代における武士の特権を表した言葉。公に苗字を名乗り、身分の象徴たる刀を帯びることで庶民との違いを明らかにしていました。

しかし、泰平の世が進むにつれて刀を抜いて戦う機会などなくなり、武をもって主君に仕える気概が失われていきます。

平和に越したことはないものの、やはり武士たる者、平和ボケしていてはいけない!

そう思った佐賀藩士・山本常朝(やまもと じょうちょう)が語り残した武士の心得・逸話集。それが武士道のバイブルとして名高い『葉隠(はがくれ。葉隠聞書)』です。

今回はその中から、武士の子育てについて紹介。現代に生きる私たちの感覚ではちょっとついて行けないかも知れませんが、当人たちは大真面目。

かつてこういう価値観があり、危機感を持っていた人がいたんだなぁ……くらいにおつき合い頂ければと思います。

五歳にて犬を切らせ、十五歳にて……武士たちの過激な子育て

一四 山本吉左衛門は、親神右衛門指図にて、五歳にて犬を切らせ、十五歳にて御仕置者を切らせ申され候。昔の衆は、十四五歳より内にて、有無首を切らせ申され候。勝茂公御若輩の時分、直茂公御指図にて御切習ひなされ候。その内続け切りに十人も遊ばされ候由なり。昔は上つかたさへ斯様に遊ばされ候に、今どきは以下々々の子供にも終に切らせ申さぬ事は、油断千万にて候。せで済む事、縛り者切りたりとて手柄にもならず、科になるの、けがるゝのと申すは、口ふさげにて候。畢竟は武勇の方疎々しき故、爪根みがき、綺麗なる事ばかりに心懸け候故かと思はるゝなり。いやがる人の心の内を僉議して見候へ、気味わろき故に利口にまかせ、切らぬ様に云ひなし申さるゝかと存じ候。せでならぬ事なればこそ、直茂様御指図なされ候。先年、嘉瀬にて切り候て見申し候が、殊の外心持になり申すものにて候。気味わろく思ふが、臆病のきざしにてあるべく候。

※『葉隠聞書』第七巻

山本吉左衛門(やまもと きちざゑもん)は、父親である山本神右衛門(じんゑもん)によって5歳で犬を斬り殺し、15歳で死刑囚を斬るよう教育されたと言います。

昔は14~15歳にもなれば罪人を斬首するよう稽古したもので、佐賀藩主の鍋島勝茂(なべしま かつしげ)公も若い時、御父・鍋島直茂(なおしげ)公によって人の斬り方を実習されたとか。

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