「鎌倉殿の13人」八重ロス続出でも落ち込んでる暇なし!続々と歪んでいく勝者たち…第21回「仏の眼差し」振り返り:3ページ目
土をいじることがなぜ「罰当たり」なのか?実平の発言について
「なんて罰当たりな……」
そう言っていたのは土肥実平(演:阿南健治)。鎌倉じゅうの道路を整備することに対してのことですが、ここはもう少し説明が欲しいところ。
土地には神様がいらして、それを軽々にほじくり返す(整備することも含む)ことは禁忌とされていました。そういう宗教観がないと「何でそれが罰当たりなの?」と視聴者が置き去りにされてしまいます。
現代だって、家屋を建てる時など地鎮祭(じちんさい)を行いますよね?あれは土地の神様に対して「これからお騒がせいたしますが、お許し下さい」などと挨拶をしているのです。
また「篤く信仰いたしますので、末永くお守り下さい」という祈りでもあります。他にも井戸を掘る時や埋め戻す時などもきちんと神事を執り行わずに祟りを受けた……なんて話しは枚挙にいとまがありません。
そこへ現れた八田知家(演:市原隼人)。初登場からワイルドな風貌で魅せてくれましたね。
「俺は頼朝の命令でやっているだけだ。罰が当たるならそっちだろう」
ここでもただ頼朝が罰当たりであることを強調してヘイトを集めています。しかしこれまで散々日取りが吉凶がと騒いできた頼朝が、神仏を粗末にするような暴挙に及ぶとは考えにくいことです。
現代人なら「神事とかいちいちめんどくさいから、一気に工事しちまえよ!」と言う方もいるでしょうが、これまで本作で強調してきた当時の世界観をぶち壊してしまうのは、いささか興醒めではないでしょうか。