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「鎌倉殿の13人」八重ロス続出でも落ち込んでる暇なし!続々と歪んでいく勝者たち…第21回「仏の眼差し」振り返り

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殺すことはなかった?義経を懐かしむ御家人たちについて

さて、奥州で勝利を収めた御家人たちは酒宴の席で亡き源義経(演:菅田将暉)の思い出話に花を咲かせました。

「本当に殺さねばならなかったのか」「殺すことはなかったんじゃないか」

誰が言い出したか、次第に「九郎殿は強かった」「なのに平三のせいで死に追い込まれた」などと梶原景時(演:中村獅童)にヘイトが集まっていく展開。

しかしちょっと待って欲しい。義経が好きなら好きで構いません。しかし義経が何をしたか、彼らは忘れてしまったのでしょうか。

『吾妻鏡』の記述と筆者の記憶が確かならば、義経は源行家(演:杉本哲太)と共に「頼朝追討の宣旨」を求めていたはず。

追討とはすなわち「どこまでも追い詰め、討ち滅ぼす」こと。その勅命を後白河法皇(演:西田敏行)に求めたということは、間違いなく「頼朝を殺す」意志を明確にしたのです。

謀叛ってのは「ちょっと懲らしめてやれ!お灸を据えてやれ!」というレベルではありません。いつぞや政子が言った「うんと叱られるがいいわ!」程度の認識では困ります。

ひとたび叛旗をひるがえせば、待っているのは命のやりとり。明らかに一線を越えてしまったからこそ、頼朝は泣く泣く義経を討った(泰衡に討たせた)のです。

楽勝だったから「殺さなくても……」なんて余裕なことを言っていられますが、それで頼朝が討たれても同じことが言えたのでしょうか。

どうもこの世界の武士たちは、謀叛というものを軽く考えすぎている節が見受けられます。ちょっと喧嘩して仲直り……ではないのです。

特に千葉介常胤(演:岡本信人)殿。前に貴殿らが企んだ「謀叛」の結果、その罪を一身に負わされた上総介広常(演:佐藤浩市)が、どんな目にあったか。よもやお忘れではございますまいな?

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