「鎌倉殿の13人」壇ノ浦の合戦シーン、アッサリ過ぎ?…第18回放送「壇ノ浦に舞った男」振り返り:3ページ目
畠山重忠(演:中川大志)&和田義盛(演:横田栄司)
義経に従って四国方面を進む畠山重忠と、源範頼(演:迫田孝也)に従って中国・九州へ進む和田義盛。
冒頭に出てきた義盛の「腹減った、帰る!」というエピソードは『吾妻鏡』にもあり、彼をはじめ東国武士たちはほとほと嫌気が差していたのでした。
みんなを必死にまとめ上げ、義経が壇ノ浦で活躍する舞台を整えた範頼の功績は、もう少し賞賛されてもいいのではないでしょうか。
一方の重忠は荒ぶる義経(暴風雨の出航や水夫を射殺すなど)に対してごく常識的な反応を示し、いかに義経が良くも悪くも型破りな天才であるかを引き立てる役目に徹していました。
さて、日頃は反目する(というより、祖父を討たれた怨みから義盛が一方的に重忠を嫌っている)二人が、陸と海から合流した壇ノ浦。
安徳天皇(演:相澤智咲)らの入水に対して義経をはじめ敵味方の誰もがそれぞれの反応を示す中、合掌していたのは義盛と重忠の二人でした。
示し合わせた訳でもなかろうに、根っこのところで通じているのを見て、両将ともに贔屓の一人として嬉しく感じました。
義経と愉快な仲間たち
壇ノ浦で平家を滅ぼし、戦う相手と生きる意味を見失いつつあった義経は、頼朝と決別し後白河法皇(演:西田敏行)への臣従を決意します。
義経「私は決めた。この先、法皇様第一にお仕えする。京の都で源氏の名に恥じぬように生きる。私は検非違使の尉。源九郎判官義経だ」
義時「……(一言ごとに顔を曇らせる)」
ここへ来て宗盛と清宗を再会させたり、かつて里芋を振る舞ってくれた藤平太(演:大津尋葵)に恩返しをしたりなど、好感度が急上昇。
御家人たちからは源氏の血筋を鼻にかけ、才能に任せて現場では部下に無茶ぶり。それで多少ならざる犠牲の上にいざ勝利すれば、手柄を独り占めする嫌われ者・義経の人間味あふれる一面を垣間見ました。
弁慶「御曹司には振り回されてばっかりじゃ(一同、爆笑)」
この声に義経を心底愛しており、むしろ振り回されるのが満更でもない主従の絆が感じられます。他の者たちも、同様にして付き従ってきたのでしょう。
(あ、これはもうすぐ死ぬヤツだ)
そう感じた視聴者は少なくないはず……今までイヤなヤツが急に優しくなり(あるいはそんな一面を見せ)、情が移ったところで一気に殺す。振り返れば、伊東祐親(演:浅野和之)の最期がそうでしたね。