「鎌倉殿の13人」壇ノ浦の合戦シーン、アッサリ過ぎ?…第18回放送「壇ノ浦に舞った男」振り返り:2ページ目
平宗盛(演:小泉孝太郎)
昔から、平家を滅ぼした無能な棟梁として描かれがちな宗盛。実際、当時からあまり評判のよい人物ではありませんでした。
義経「死罪と決まっているのに、随分と穏やかだな」
宗盛「人が一生で出会う、あらゆる楽しみを味わってきた。未練はござらん」
壇ノ浦では命を惜しんで生け捕られ、鎌倉へ護送されても泣いて命乞いするばかり……など散々ですが、本作の宗盛は実に潔い振る舞いが爽やかな印象を残します。
(斬首された首級は捨てられるため)胴体だけでも我が子・平清宗(演:島田裕仁)と共に葬ってくれるよう願い、亡き兄たちとの信頼関係を語るなど、家族の絆を魅せた宗盛。
その姿は、彼を護送していた義経にとって眩しく見えたように感じられます。
義経を危険視、忌避する頼朝との和解に一役買おうといわゆる「腰越状」の代筆を買って出た宗盛。その好意は本心なのか、あるいは兄弟の仲を裂こうと謀った最後の一矢だったのでしょうか。
しかし一から十まで宗盛が文章を考えてそのまま書いた(義経にチェックもさせずに送った)とは考えにくく、義経の拙い口述を宗盛が丁寧に書き直してあげたと見るのが自然です。
いくら面倒だからと言って、かつて敵だった者に自分名義の書状を(代筆はともかく)中身まで丸投げしてしまうのは、流石にいかがなものでしょうか。
なので本作の設定に則るなら、恐らく義経は頼朝がかつて右兵衛権佐であったことを知らず、また検非違使の官職がどの程度の重さであるのかも知らなかったものと考えられます。
3ページ目 畠山重忠(演:中川大志)&和田義盛(演:横田栄司)