「鎌倉殿の13人」壇ノ浦の合戦シーン、アッサリ過ぎ?…第18回放送「壇ノ浦に舞った男」振り返り
頼朝「九郎がやってくれた。九郎が……平家が滅んだ!」
伊豆で挙兵してからおよそ4年半。ついに父の仇である平家一門を滅ぼした源頼朝(演:大泉洋)。
しかし、あまりにも強すぎる源義経(演:菅田将暉)を恐れるあまり行き違い、ついには取り返しのつかない溝を生んでしまったのでした……。
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第18回放送「壇ノ浦に舞った男」。サブタイトルはカッコいいのですが、その元ネタである「八艘跳び」はじめ戦闘シーンが今一つアッサリ過ぎゃあしないでしょうか。
(屋島の合戦に至っては嵐の出航+ナレーションだけで、扇の的すらありません。先を急がれる事情も解りますが、やはり「お約束」も見たいのが歴史ファンという生き物です)
せっかく紀行なしの45分フルと聞いていつも以上に意気込んだものの、少し拍子抜けしたのは筆者だけではないはず……とは言っても、やはり今回も見どころ盛りだくさんの満喫回でしたね。
では里芋の余韻が冷めない内に、注目人物を中心とした第18回放送の振り返りと行きましょう。
梶原景時(演:中村獅童)
従来の時代劇などでは事あるごとに義経と本気で対立し、軍才の及ばぬ嫉妬から讒言で義経を陥れた……と描かれがちな景時。
しかし本作の景時は義経にとって唯一の理解者として振る舞い、その信頼を得る辺りに斬新さが見られました。
……が、それらの態度はすべて罠。暴風雨の出航を肯定したのは「死ねば所詮それまでの男」と突き放すが故であり、奇襲に成功して天に護られていると確信すれば最後には讒訴で陥れます。
なぜなら、天に護られているのは頼朝だけで十分だから。両雄並び立たない以上、義経を生かしておけば頼朝のためになりません。
景時「お二人とも、己の信じた道を行くには手を選ばぬ。そのようなお二人が並び立つはずはない」
だから、義経に謀叛の心などないことは百も承知で、すべて鎌倉殿が御為として訴えたのです。
あるいは、天に護られた同士の対立を煽った上で、最終的な勝者につこうと考えたのかも知れませんが……さすがにそこまでは考えていないでしょう。
ともあれ景時と言えば讒訴ですが、その動機があくまでも鎌倉殿への忠誠ゆえであることが判りやすい描写でした。
2ページ目 無能な棟梁として描かれがちな平宗盛(演:小泉孝太郎)