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時代劇は間違いだらけ?~其の二~「お銚子もう一本!」は間違い、湯屋では髪を洗わない…

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「お銚子もう一本!」で登場するのは実は徳利

「おーい、お銚子もう一本!」

時代劇などで侍や町人が酔っ払って、居酒屋で叫んだりする場面がありますね。しかしこのお銚子、お店側が差し出すのは銚子ではなく「徳利」。

もともと「銚子」は、酒宴や三三九度などの儀式に用いる、金属製や木製の長い柄のついた柄杓のような器のこと。

芝居では酔客が酒器を転がしている様が描かれたりしますが、銚子は転がせませんね。

ではなぜ銚子を徳利と呼ぶようになってしまったのでしょうか。
酒器の変遷をたどりましょう。

銚子&提(ひさげ)

太古から平安時代あたりまでは土器(かわらけ)に酒を注いでいましたが、平安時代初期ごろ、「銚子」と「提子(ひさげ)」が登場します。

樽から取り出した酒は、提子という持ち手がある片口のジョウロのような器に移し、銚子に補充します。提子は銚子の補助的な存在でしたが、桃山時代(16世紀末)には蓋付きの提子が現れ、江戸時代前期から主に酒宴で使う提子を「銚子」と呼ぶようになります。

酒宴などで提子と銚子を二つ使うことが段々と無くなり、蓋つきの銚子から酒を直接盃に注ぐようになりました。

2ページ目 瓶子&徳利

 

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