【何故?】そろそろ新米の季節!ところで昔は新米よりも古米の方が高価だった:2ページ目
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それで中世は古米の方が新米より高価だったそうですが、理由は他にもあって、古米の方が「同じ量で、たくさん食べられる」のです。
どういう事かと言いますと、同じ一合の米を買っても、新米と古米では炊いた時に水を吸って膨らむ量に違いが出てきます。
すでに十分な水分を含んでいる新米よりも、水分が抜けた古米の方がよく水を吸う(欲しがる?)ようで、こういうところにも米が「生きている」ことを実感できますね。
具体的には新米に比べて1.1~1.3倍ほどに膨らむそうで、史料をひもとくと当時の米価格もそのくらいの差額がついており、中には「古米と偽って新米を混ぜ込む」という、一種の食品偽装まで行われていたと言います。
古くから新しもの好きな日本人にしては珍しい傾向ですが、やがて時代が下るにつれて新米に限らず「初物」が持て囃されるようになり、現代に至ります。
近年の異常気象で、お米の出来が気になるところですが、今年もお天道様とお百姓さんに感謝して、新米を味わいたいものですね!
※参考文献:
清水克之・高野秀行『世界の辺境とハードボイルド室町時代』集英社インターナショナル、2018年2月
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