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江戸時代、天然痘によりわずか6歳で世を去った露姫が、父への遺書にしたためた「一生のお願い」

江戸時代、天然痘によりわずか6歳で世を去った露姫が、父への遺書にしたためた「一生のお願い」:3ページ目

辞世の句に広がった感動の輪

十いちかつ こきうそくてかく(11月、御休息の間で書く)

おのかみの すえおしらに もふこてう(己が身の 末を知らずに 舞う胡蝶)

つゆほとの はなのさかりや ちこさくら(露ほどの 花の盛りや 稚児桜)

あめつちの おんはわすれし ちちとはは(天地の 恩は忘れじ 父と母)

六つ つゆ

6歳の幼さで、ここまで家族のことを想い、その末を案じていたとは……冠山は感動のあまりに親バカ?を発揮。露姫の遺書を木版画に刷らせて知人友人に配布したところ、各地の大名や学者から哀悼の和歌や詩文が1,600作も寄せられたそうです。

また、家臣に命じて露姫の伝記『玉露童女行状』を編纂させ、寄せられた詩歌などを『玉露童女追悼集』にまとめて江戸の浅草寺(せんそうじ。現:東京都台東区)に奉納しました。

先立つ不孝を詫びつつ、遺される者たちの幸せを願う……拙くも心を込めて綴られた露姫の思いは、今なお人々の胸を打ち続けます。

※参考文献:
森銑三『随筆百花苑 第七巻 風俗世相篇』中央公論社、1980年5月

 

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