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【大河べらぼう】日光社参の盛り上がり、エレキテル登場、役者は四民の外?ほか…3月16日放送の解説&振り返り

【大河べらぼう】日光社参の盛り上がり、エレキテル登場、役者は四民の外?ほか…3月16日放送の解説&振り返り

実にいい本なんだけど、高品質≒高価格が仇となって売れなかった『青楼美人合姿鏡』。階段から投げ転がされ、足を挫いてしまっても、心まで挫ける蔦重(蔦屋重三郎。横浜流星)ではありません。

俄祭りで吉原を盛り上げようと、人気の浄瑠璃師・富本豊志太夫/富本午之助(寛一郎)を呼ぼうと依頼しますが、吉原は嫌いとけんもほろろ……聞けばかつて吉原でひどい目に遭わされたそうで、蔦重は遊女たちを動員して、お詫びの接待に心を砕きました。

幼いころから塀の中で、まともに芝居も浄瑠璃も観たことがない遊女たち。そんな彼女たちの涙を見せられて、断ることなど出来ません。

富本豊志太夫/午之助(寛一郎)とはいったい何者?浄瑠璃・富本節の歴史をたどる【大河ドラマべらぼう】

(11)富本、仁義の馬面初回放送日:2025年3月16日蔦重(横浜流星)は人気の富本豊志太夫/午之助(寛一郎)から俄祭りへの参加を拒まれる。そこで浄瑠璃の元締め・鳥山検校(市原隼人)を訪ね瀬川…

富本豊志太夫が富本正本を耕書堂(蔦重のところ)から出版すると聞いて、鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)は「江戸市中の本屋で出せなくなる」と再考を促すも「だったら猶更助けてやりたい。それが男だ」と答えます。

腑に落ちない鱗形屋でしたが、自分の窮状を見捨てない恋川春町(岡本天音)の心意気にふれ、何かを感じ取ったのではないでしょうか。

重版事件から訣別してしまった蔦重と鱗の旦那ですが、元は創作を愛する者同士。今回のささやかなキッカケから、後に歩み寄ってくれたら嬉しいですね。

というわけでNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第11回放送「富本、仁義の馬面」今週も気になるトピックを振り返って行きましょう!

売れなかった『青楼美人合姿鏡』

いい本だけど、高すぎて売れなかった『青楼美人合姿鏡』。

あまりに思い入れが強すぎて、買い手の懐事情に配慮できなかった蔦重たちの失敗でした。

のぞいて見たい?吉原遊女の舞台裏を描いた最高級の錦絵本『青楼美人合姿鏡』とは【大河べらぼう】

吉原細見『嗚呼御江戸』や画集『一目千本』など、様々なアイディアで吉原遊廓の盛り上げに創意工夫を凝らした蔦屋重三郎。[insert_post id=239699]美人画『雛形若菜初模様』…

商品開発は品質以上に、消費者の購買意欲を削がない価格設定が大事です。

ほら、以前に源内先生がキャッチコピーを書いた「漱石膏」。あれなんか「効果の程は知らないけど、俺も生活かかってんだから買ってくれ。大した値段じゃないんだから、効かなかったら捨てちまえばいい」くらいの暴言を吐いても、それなりに売れました。

要はみんな、買える値段のモノを買うのです。中にはお金を貯めてまで買うモノ好きもいますが、そんな者はごく一部に過ぎません。

いいモノでも売れないし、いい加減なモノでも意外と売れる。そんな商売の妙を学んだ蔦重が、この教訓をいい方向に活かしてくれるといいですね。

2ページ目 一大イベント「日光社参」の盛り上がり

 

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