江戸時代の貴重な忍術書に書かれていた変装術「七方出」や「忍者六道具」とはどんなもの?
最近、忍術書のバイブル『萬川集海』のベースとなる忍術書『軍法 間林清陽(かんりんせいよう) 巻中』が発見されたというニュースが話題になりましたね。
忍者の里・甲賀で忍術書『間林清陽』発見!リアルな忍者像を知る貴重な手がかりに
そこで忍術書の『萬川集海』や『正忍記』に、実際何が書かれているのか調べてみました。忍びとしての基本の考え方や、変装や必需品の道具について今回はご紹介します。
陽忍と陰忍
忍術の世界には「陽忍」と「陰忍」という言葉があります。陽忍は謀計の智慮を以て姿を現しながら敵中へ張り込むことで、陰忍は術を以て姿を隠して忍び込むこと。
要は、陽忍は身元を偽装して白昼堂々、敵を調査するスパイですね。時と場所に相応しい姿に変装し、髭の反り方もその地方の人と同じようにすべきしと書かれています。後述しますが、僧侶や山伏に変装したり、必要があれば女装もしました。
あると便利なもののなかに「敵国の大将が使う旗印や幕紋、城主の印鑑の写しなど」なども書かれています。
陰忍は皆さんが思い浮かべる映画やドラマで描かれるような、闇夜に忍んで敵方の秘密を探ったり謀(はかりごと)を暴く活動のことです。
・闇夜に忍び込むため、月が出る前か入った後に忍び込むべき
・夜間活動するため、眠くならないよう昼寝をしておく
・逃走経路を確保しておく
など基本的なことや、巻十四には「察知サシ十六箇条」というのがあり、このサシは錠前のことで、様々な錠前の解説がされています。
ここでは正心の心を説いています。正心とは、「目的のために正しく道理を踏まえること」という意味で、「忍者は盗人と違う」ことを強調しています。