1月11日、実は「塩の日」だったということを知っていましたか?でもなぜ?
実は戦国時代の逸話がきっかけなんです。戦国時代の武将、上杉謙信と武田信玄は11年間、5回にわたって戦ったまさに宿敵同士。その信玄に謙信が塩を送ったという美談は有名な逸話。この送った塩が届いた日が1月11日とされているんです。
ところが、現在では、この逸話は後年に作り出された架空の話だったと考えられています。
1568年、武田信玄はそれまで同盟関係になった駿河の今川氏真を攻めました。武田氏の領地であった甲斐と信濃は内陸だったため、塩を含む海産物などは今川氏の駿河方面から運び込んでいましたが、この争いが始まってからは、今川氏が商品の流通をストップし、武田氏はなかなか塩が手に入らなくなりました。
そんなとき、上杉謙信が「信玄と争うところは、弓箭(きゅうせん・いくさ)にある。米や塩ではない」として越後府内の政商・蔵田五郎左衛門に越後からの塩の流通をとどめないように命じたと伝えられています。
氏真が荷物の流通を止める「荷留」を行ったことは事実ですが、川中島の戦いなどで何度も戦った武田氏と上杉氏の間にはまだ緊張状態が続いており、謙信が積極的に塩などの物資を送るなどということは当時の状況を考えて可能性が低いといわざるを得ません。
では、この美談はどういう経緯で生まれたものなのでしょうか。