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1月11日「塩の日」の由来であり「敵に塩を送る」の語源でもある美談 “上杉謙信が宿敵 武田信玄に塩を送った”は史実なのか?:2ページ目
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上杉領の越後から武田領の信濃へと続く糸魚川街道。この辺りは古くから塩の流通ルートとして知られていました。今川氏による荷留によって駿河からの輸入が止まったことで、民間ルートでは糸魚川からの輸入が必然的に増えました。
この事実が「謙信からの贈り物」として美談となった、というのが真相のようです。
現在、長野県の松本、豊科、池田、大町などで、正月から2月にかけて、「飴市」が開かれていますが、この市の起源を語る伝承として、謙信から塩が送られて以来、盛んに塩市が開かれ、その市で飴が売られるようになったとされています。松本市内には、塩を運んだ牛をつないだ「牛つなぎ石」が現在も残っています。
ちなみに現在、東京国立博物館には、「塩留めの太刀」(しおどめのたち)といわれる一振りの太刀が収蔵されています。これは、信玄が塩を送ってもらったことに感謝し、上杉家に贈った太刀だと伝えられています。
史実はどうあれ、現在も「敵に塩を送る」という言葉は、争っている相手が苦しんでいるときに、争いの本質ではない分野については援助を与えることのたとえのことわざとして残されています。
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