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血判、切指、入れ墨も…江戸時代の遊女はあの手この手で客の心を掴んでいた:2ページ目
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わたしの小指をあなたにあげる
もっと凄まじいものになると、切指なんてものもあります。遊女が自分の小指の第一関節から上を切って客に渡すというもので、もらった男は誰にも言わず、桐箱やお守り袋に入れて肌身離さず持っていました。中にはニセモノの指を用意する遊女もいたようです。
痛みを伴う愛の証には、入れ墨もあります。江戸時代に入れ墨というと刑罰のことでしたが、手を握り合ったときの親指の先に、ほくろのような彫り物を入れたものは入れぼくろと呼ばれました。相手の年齢の数だけ、左二の腕の内側に入れた入れぼくろが徐々にエスカレートして、二の腕に相手の名前を彫り込むまでになったそう。
もし、ほかの人の名前を彫りたくなったら、まず灸をすえるなどをしてケロイド状にして焼き消し、皮がむけたら次の名前を彫りました。なんとも痛そうですよね…。遊女の入れ墨は、客自身に名前を腕に直接書いてもらい、その筆跡通り彫るというのが一番喜ばれたとか。
といっても、これも偽物が多かったようです。彫らずに墨で名前を書いておき、それをちらりと客に見せていた遊女もいたそう。照明もさほど明るくないので、ばれることもなかったのです。
こういった遊女のあの手この手に引っかかるのは、野暮な武士、そして地方から出てきた商人や農民がほとんど。遊び上手ではない男子には、遊女の甘い言葉がテキメンに効いたのですね、きっと。
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