【豊臣兄弟!】殿を死なせない!鬼の元親を降伏に導いた谷忠澄(堀部圭亮)、史実は「切腹覚悟」の進言だった:3ページ目
「殿を死なせてはならぬ」と思うように
姫若子が鬼若子に変わった姿を見た谷忠澄は、秀長に「殿は差し違えても戦う覚悟。もはや、我らの言葉は届きませぬ」と伝えます。
「元親の心を動かせるものは何か」と思案する秀長軍。そこで秀長は、元親との最初の出会いを思い出したのでしょう。
幾度も説得のために行き来する忠澄に、元親は「お主も損な役目を負ったものだ」と声をかけますが、忠澄は「そうは、思いませぬ」ときっぱりと答えました。
秀長と何度も元親を説き伏せるうちに「いつしか、殿を死なせてはならぬと思うようになりました」とまっすぐに元親を見て伝えます。
そして、木箱に入っていた元親のもみじ柄の着物を差し出しました。驚きながら、そっと宝物に触れるように着物に手を伸ばす元親。
「殿を説き伏せるのは、あの時(秀長と出会ったときの)の殿しかおらぬ。」
「あれがまことの長宗我部なのだ」と、秀長の言葉を伝えました。
その言葉と着物は、みるみるうちに元親の鬼の心を溶かしていくのがわかります。
はらはらと涙をこばす元親。
そんな主君を見守りながら「殿、これは私のお願いにござります。降伏を受け入れてくだされ」
「土佐一国、それで十分ではござりませぬか。まことは、もう、殿もそうお決めになられちゅうがじゃないですか」
「なにがあろうと、最後は、領民のことを一番に思ってくださる。私の知っちゅう殿とのはそういうお方にございます。」
胸に染み入るような忠澄の言葉でした。
殿は、強く・優しく・家臣や領民のことを一番に考える人。
そんな殿に仕えてきた自分を誇りに思う。
だからこそ殿は死なせない
……忠澄の真摯な思いが伝わる、名場面だったと思います。
元親の「好きじゃき」への秀長のアンサー
秀長が送った着物を着て、一宮城に降伏に訪れた元親に、秀長は「これからは我らと共に、天下一統の夢をみてほしい」と頼みます。
元親は、「戦に慣れ人を殺めることも何も感じない自分が怖くなった。だから、自分の中の鬼を封じ込めるために美しい着物をまとっていた。」
「そんな自分が本当の姿だといってくれた、貴殿の言葉は救いだった」……と語ります。
そして「何でそこまでわしのことを?」と問いました。
『好きじゃき。』と秀長。破顔一笑する二人。
「この元親、これよりは上様の臣下となり、天下一統の夢を、お手伝いをいたしまする」と頭を下げました。
戦は嫌いな姫若子の自分を好いてくれる武将と、守りたいと思ってくれる家臣に救われた長宗我部元親……という今回のストーリー展開。
演技初挑戦とは思えないほど抜群の存在感を放った磯部さんの長宗我部元親と、厳しい表情ながら救いたいと願う堀部さんの家臣・谷忠澄。
記憶に刻まれる主従関係でした。

