シマケンの挫折は当然だった?『風、薫る』『ブラッサム』朝ドラの時代に隠された文筆家たちの苦境と辛さ:5ページ目
明治の文筆家はつらいよ…しかしそれでも彼らは書いた!
明治の文筆家というと、私たちはついつい「文豪」という完成された姿を想像してしまいます。
夏目漱石、樋口一葉、尾崎紅葉、二葉亭四迷、小泉八雲
しかし彼らにも当然、まだ何者でもなかった時代がありました。
原稿をどこかに持ち込む。
師匠を探す。
同人誌を作る。
新聞記者になる。
教師をする。
翻訳をする。
そして、仕事の合間に小説を書く。
作品が売れなければ、次の収入がいつ来るかもわかりません。
だからこそ、『風、薫る』でシマケンの苦闘する姿は、単なるドラマ上の設定以上に、近代日本で「書くことを職業にする」難しさを感じさせます。
『風、薫る』『ばけばけ』『ブラッサム』と、朝ドラを横断してみると、近代日本とは、「職業として文章を書く人」が少しずつ生まれていった時代でもあったことがわかります。
原稿料は安い。仕事は不安定。将来もわからない。
それでも書く。
明治・大正の文筆家は、実につらい。それでも彼らは、筆を置かなかったのでした。
※参考文献・参考サイト
- 「夏目漱石」国立国会図書館HP
- 「尾崎紅葉」国立国会図書館HP
- 「宇野千代」国立国会図書館HP
- 高浜虚子『漱石氏と私』青空文庫HP
- 内田魯庵『二葉亭四迷の一生』青空文庫HP
- 浅井清・市古夏生ら監修『作家の原稿料』八木書店 2015年
