最高齢は60歳超も…江戸市中に数千人いた路上娼婦「夜鷹」の哀しく壮絶な生存劇:3ページ目
意外な客層
ところで、夜鷹を買っていたのは小僧、職人、労働者、足軽などに加えて、意外にも武士が多かったとされています。「どうしても武士が多いと夜鷹云い」という川柳まで残っているほどです。
身分の低い武士ほど生活に追われ、手軽な遊興へ向かう傾向があったようです。
江戸の最盛期には、市中に数千人の夜鷹がいたそうです。夜鷹は少数の特殊な女性だけが行っていた商売ではなく、かなり大きな規模の存在だったのです。
もちろん、その生活は安定していません。彼女たちは公認の遊女ではないため取り締まりを受ける危険があり、仕事をする場所も十分に整っていませんでした。
それでも夫を失った女性や貧困に苦しむ女性にとって、夜鷹商売は生活をつなぐ手段だったのでしょう。
夜鷹という名前は、夕暮れから夜にかけて姿を現す鷹と街娼の姿を重ねたものです。
その実態をたどると、江戸の夜には吉原の華やかさだけではなく、厳しい条件の中で収入を得ようとした女性たちの現実があったのです。
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参考資料:樋口清之『日本史探訪 もう一つの歴史をつくった女たち』ごま書房新社、2025年
画像:Wikipedia,PhotoAC



