手洗いしっかりしよう!Japaaan

お寺や道端でよく見る“あの石碑”の正体は?実は平将門の首塚にもある、知られざる中世の遺産「板碑」

お寺や道端でよく見る“あの石碑”の正体は?実は平将門の首塚にもある、知られざる中世の遺産「板碑」

自分が亡くなった後のために、生きているうちから供養塔を造る。そんな習慣は中世からありました。その供養塔の一つが「板碑(いたび)」です。

皆さんは、道端やお寺、墓地などで、頭が三角形に尖った平たい石碑を見かけたことはありませんか?関東では見慣れた存在かもしれませんが、実は中世の人々の信仰や死生観を知るうえで、貴重な歴史資料なのです。

板碑は、鎌倉時代から室町時代前期にかけて盛んに造られました。石には仏への祈りや故人を供養するための文字などが刻まれています。

たとえば、平将門の首塚にも、鎌倉時代に供養のための板石塔婆が建てられたとされています。今も知られる史跡に板碑が関わっていたと聞くと、少し見方が変わるのではないでしょうか。

何気なく通り過ぎてしまいそうな石碑ですが、その形や文字には、当時の人々の信仰や願いが刻まれているのです。

自分の死後のために造る板碑

板碑は、板状に加工した石材に、仏や菩薩を象徴する梵字(ぼんじ)や、供養する人の名前、造立年月日などを刻んだ石造物です。

板碑の役割を知るうえで興味深いのが、「逆修(ぎゃくしゅ)」と呼ばれる供養です。亡くなった人の冥福を祈る供養を「追善供養」というのに対し、逆修は生きているうちに自分の死後のために供養を行うことを指します。

板碑には、こうした逆修供養のために造られたものもあります。自分が亡くなった後のことを考え、生きているうちから供養を行う。現代でも生前に葬儀や墓の準備をする人はいますが、中世の人々もまた、死後の安寧を願って石碑を造っていたのです。

板碑は、亡くなった人を悼むためだけのものではありません。生きている人自身の願いを形にしたものでもありました。

2ページ目 石に刻まれた人々の願い

 

RELATED 関連する記事