『豊臣兄弟!』なぜお市は秀吉の勧めで柴田勝家と再婚した?悲劇に繋がる「真相」を史料と伏線から探る:4ページ目
実際にはどのような思いがあったのか…
「勝家はお市が嫁ぐ前からずっと慕っていたために、お市と結婚するまで独身を貫いていた」「そのために、再婚して短い結婚生活でも仲が良かった」……という鬼の柴田のピュアな逸話もあります。
ドラマでは、それを彷彿させる勝家が描かれていましたが、これも、同時代の史料はないようです。
ルイス・フロイスによると、柴田勝家は「はなはだ勇猛な武将であり、一生を軍事に費やした人」だったとか。
そんなところから、武骨もの・戦のことで頭にいっぱいの猛将で妻を娶ることに興味はなかった……というイメージが育ったのでしょうか。
「豊臣兄弟!」では「そなたのことが大好きだった」と残した愛する夫・長政のことは、介錯を務めただけに、お市の心にはずっと存在しているはず。
そして、この時は、長政の願い通りに三人の娘のために生き延びる道を選びました。
ドラマ内では、秀吉に頼まれて再婚を決めたものの、兄・信長江の思いとともに、長政への思いも生涯消えないはず。勝家への気持ちとは異なるでしょう。
夫との二度目の最期は「共に…」
ドラマでは、秀吉の策略によって、「織田家のため」に勝家と再婚するお市は再び、また夫を戦で失う悲劇を迎えます。
二度目は、生きのびることはせずに、勝家とともに最期を迎える決意をします。
『豊臣兄弟!』お市と柴田勝家、自刃しての最期と「辞世の句」…運命を共にした2人の悲劇
8月9日(日)放送の大河ドラマ「豊臣兄弟!」第30回放送では「清須会議」の模様が描かれるようですが、清須会議の後、羽柴秀吉(池松壮亮)によって織田家筆頭の地位を脅かされつつあった柴田勝家(山口馬木也)…
それまで、お市・浅井三姉妹・柴田勝家の心情はどのように描かれていくのでしょうか。
基本的には「ずっとお市を慕っていた」という設定ではあるものの、女好きの秀吉のように「やっと我が物になった!」とは思わない誇り高き勝家。
この二人の行く末は、「楽しみです」とはいえない悲劇がすぐ先に待ち受けているのですが、見守っていきたいと思います。
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参考文献:
『祖父物語』
黒田基樹『お市の方の生涯「天下一の美人」と娘たちの知られざる政治権力の実像』/朝日新書



