朝ドラ【風、薫る】“観察する看護”でりんが見抜いた千佳子のSOS…「明治のナイチンゲール」誕生の兆し:5ページ目
患者に寄り添い医師らに物申した大関和
ドラマの原案『明治のナイチンゲール 大関和物語』には、まだ実習中の大関和が、乳がん手術を終えたばかりの患者から痛みがひどくて不安なので、一晩付き添ってほしいと泣きながら頼まれ、病院の事務局に許可を得て一晩中付き添ったというエピソードがあります。
翌日、和は医師たちから「勝手な行動をするな」と大目玉を食うのですが、和は負けません。「勝手な行動」をせざるおえないのは、看病婦たちの患者に対する看護が手抜き過ぎること、と訴えます。
さらに、男性医師たちに、看病婦たちの看護の問題点をすべて挙げました。「女のくせに男に物申すなんて」と驚く医師もいたそうですが、外科の責任である教授、佐藤三吉(今井益夫のモデル)は、この和の人格を大いに評価したのでした。そのため、乳がんで入院してきた三宮八重野(和泉千佳子/仲間由紀恵のモデル)の看護に和を抜擢したのでしょう。
和の「心に触れる看護」で次は八重野が花魁を救う
以前、この三宮八重野をご紹介する記事で、和は八重野が乳がんの手術をした日から泊まり込みの看護を行いずっと付き添ったことをご紹介しました。
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回復した八重野は、たくさんのお見舞いのお菓子や果物などを詰め込み、当時、心中事件で運び込まれた花魁に、その見舞品と日本語の新約聖書を渡すように、和に頼みます。
聖書にはしおりがはさんであり、ペンで小さな丸印が付けられた文章があったそう。「余計なことを心配せずに、目の前のことだけを考えなさい」という意味の文章で、それがきっかけで花魁は聖書を読むようになったとか。そんな行動にでたのは、和の患者の心に触れる看護があったからなのではないでしょうか。
無事退院する花魁を見送る大関和と井上雅は「女性が手に職をつけて自立できれば、遊郭に売られることもなくなる」「看護婦がもっと職業として広く必要になれば女性の自立の助けになる」と、トレインド・ナースを世に広げることを決心します。
史実でも、大関和は女性の地位向上のため娼婦廃止の訴えかけや、禁酒、婦人参政権運動などの活動実績を残すのですが。それはまた、次の機会にご紹介しましょう。
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参考:『明治のナイチンゲール 大関和物語』 田中ひかる



