【豊臣兄弟!】死んでも渡さぬ!史料でも松永久秀が最期まで手放さなかったとされる「平蜘蛛茶釜」の正体:3ページ目
平蜘蛛茶釜は本物だった?
かくして戦火に失われたと思われた平蜘蛛茶釜ですが、『松屋名物集』によれば多羅尾光信(たらお みつのぶ)が焼け跡から破片を掘り起こし、復元したと伝わっています。
そして『天王寺屋津田宗及茶湯日記他会記』には、天正8年(1580年)閏3月13日に光信の父・多羅尾綱知(つなとも)が茶席で「平くも釜」を用いました。
この「平くも釜」が復元された平蜘蛛茶釜だったのでしょうか。信長に召し上げられそうなものですが、一度砕け散った茶釜には、興味を失ったのかもしれません。
また『玉栄拾遺』には、覚悟を決めた久秀が平蜘蛛茶釜を柳生松吟庵(やぎゅう しょうぎんあん)に託し、自身は偽物の平蜘蛛茶釜を砕いたと記されています。
他にも江戸時代の軍記物語『川角太閤記』や『老人雑話』によると、久秀が平蜘蛛茶釜に爆薬を詰めて火を放ち、壮絶な最期を遂げたと脚色されています。
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※参考文献:
- 天野忠幸『松永久秀と下剋上 室町の身分秩序を覆す』平凡社、2018年6月
- 谷口克広『信長と消えた家臣たち』中公新書、2007年7月



