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『豊臣兄弟!』ただの“母の日回”ではなかった!なか・寧々・お市、三人の母が残した「覚悟の言葉」を考察

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残された姫たちのため「前に進む」を選ぶ戦う母・お市

そして、守山城(※)に預けられていたお市と三人の娘たちは、ひさびさに岐阜城の信長と再会を果たします。

※守山城:近年の研究によると、お市の方と三姉妹は、信長の叔父の織田信次に預けられ、尾張国守山城で過ごした後岐阜城に移ったとされる。

微妙に気まずそうに目が泳ぐ信長。けれども、お市は、ひたっとまっすぐに信長の目を見つめて堂々と挨拶します。

まだ幼い浅井三姉妹に「わしが怖いか」と尋ねる信長。

長女の茶々(増留優梨愛)は、亡き父・浅井長政(中島歩)が手作りをした『三つ盛亀甲』のお守りを胸に忍ばせていました。母・お市からは「怖くなったらこのお守りを思い出すのです。父上が守ってくださる」と教わっていました。

魔王・信長にひるむことなく胸のお守りを手で押さえつつキッと睨むように「怖くありませぬ!茶々はそんな弱虫ではありませぬ!」と言い返しました。実に、いい「面構え」でした。

そんな茶々に「さすがは長政の子じゃ」と亡くなった父親を讃える信長。浅井長政の存在をタブーにせず、幼い姫に褒め言葉を贈るノブの気遣いが優しい。長政のことは大好きでしたものね。

お市と二人きりになって思わず、ため息をつく信長。「あの子らが怖いのは兄上のほうでしょう」と指摘するお市に「相変わらず手厳しいのぉ」と気まずそうに表情を変えます。

「心配には及びませぬ。兄上は長政殿を最後まで助けようとしたと子らには伝えている」というお市に、「しかしそうはならなんだ。すまぬ」と頭を下げる信長。頭を下げたのは意外でした。本気で助けるつもりだったということだったのでしょうか。

夫・長政の介錯をした時に覚悟を決めたというお市。
「行くも地獄 戻るも地獄 ならば前へ」「あの子らが同じ思いをせぬよう 兄上が作ってくだされ」

思い返せば、長政はお市に三姉妹のことを「そなたのような姫に育ててくれ」と頼んでいましたね。気丈な茶々は、母・お市の方によく似た気性のようです。

のちに秀吉の側室となり子を産んで、最後には豊臣に引導を渡す役目を果たした茶々(淀殿)。

さすがの母・お市も、織田と浅井の血を引いた自分の娘が、豊臣に幕を下ろす役目を果たす……そこまでは想像もしていなかったでしょう。

「行くも地獄 戻るも地獄 ならば前へ」絶対的な強さと覚悟をまとった母の言葉は沁みました。

三者三様、豊臣に関わった母たちの生き方

いつも味方でいてくれる「胆っ玉かあちゃん」なか、慈愛に満ちた優しさで見守ってくれる「育ての母」寧々。「たとい女人たりといえども、こころは男子に劣るべからず」という言葉を残した「戦う母」お市。

それぞれの人生をかけた「母」の生き方や言葉に胸を打たれた、「母の日」の第18話『羽柴兄弟!』。制作側が「“戦国もの“というと、合戦や国盗りの話題で男性中心に描かれることが多いので“武将の数だけ女性あり“と、登場する女性を増やして丁寧に描いた」……という、このドラマらしいなと思いました。

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参考:「豊臣家の女たち」福田 千鶴 著

 

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