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驚愕の古代史!卑弥呼はなぜ女王になったのか?邪馬台国誕生の裏にあった異常気象と“倭国大乱”[前編]

驚愕の古代史!卑弥呼はなぜ女王になったのか?邪馬台国誕生の裏にあった異常気象と“倭国大乱”[前編]:2ページ目

タウポ火山大噴火が引き起こした異常気象

古代史の研究者の間でも、『魏志倭人伝』が記すように、弥生時代末期の倭国に大乱が起きたとしても、単に九州北部・日本海・畿内といった地域勢力の競合だけによって引き起こされたと考えるのは、単純に過ぎるという見解があります。

そこには「大乱」と呼ばれるものが発生せざるを得なかった、もっと強い原因があったのではないかと考えられるのです。

そこで注目されるのが、酸素同位体比年輪年代法を用いた名古屋大学教授の中塚武氏の研究です。それによると、紀元2世紀は数十年くらいの周期で気候が激しく変動し、非常に多くの人が飢饉に苦しんだり、あるいは難民になったりしたとされています。

では、そのような気候変動はなぜ起きたのか。そこで注目されるのが、ニュージーランド北島に位置する「タウポ火山の大噴火」でした。

この噴火は、過去数千年の火山活動史の中でも最大級の規模で、地球全体の環境に大きな影響を及ぼした可能性が指摘されています。

巨大噴火により発生した噴煙と、放出された火山灰や火山ガスが成層圏にまで達し、地球規模で拡散しました。その影響はアジアにも及び、中国大陸や朝鮮半島はもちろん、日本にも広がったと推定されているのです。

そのために深刻な異常気象が起こりました。冷夏や日照不足、旱魃が起きたと思うと、突然豪雨が襲ったりします。このような異常気象が重なれば、稲作を基盤とした当時の社会が大きな打撃を受けるのは避けられません。世界各地で不作や飢饉が起こり、社会不安が広がった可能性が十分に考えられるのです。

このタウポ火山の噴火の時期については諸説あるものの、近年の自然科学的な研究により2世紀後半、具体的には181年ごろに起こったとする説があります。

西暦181年と言えば、倭国大乱の時代とぴったりと一致します。一方、当時のアジア、とりわけ倭国と関係の深い東アジアはどのような影響を受けたのでしょうか。

3ページ目 黄巾の乱と飢饉が原因で大陸の難民が倭国へ流入

 

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