『豊臣兄弟!』小一郎の“僧侶の変装”や説得は史実?「本圀寺の変」の実際…第11回振り返り・解説:3ページ目
本圀寺で奮戦した義昭
劇中では、小一郎の説得に心を動かされた形で陣頭指揮をとった義昭。『上杉家文書』や『吉川家文書』によると、義昭は実際に馬上で将兵を指揮し、迫りくる敵に斬り込み討ち取ったそうです。
平素であれば、大将がそのような匹夫の勇を奮ってはなりませんが、それだけ追い詰められていたと考えられます。馬上で槍刀を奮う義昭の雄姿は、かつての足利尊氏を彷彿とさせたのでしょうか。
とかく軟弱で陰謀を巡らせるのが好きそうなキャラクターに描かれがちな義昭ですが、本作の義昭はどんな活躍を魅せてくれるのか、楽しみにしています。
今回の戦闘で敵の襲撃を退けた経験が、義昭に自信を持たせ、次なる野望を抱かせたのかも知れませんね。
小一郎の活躍はフィクション
もはやこれまでと自害を考えた義昭に対して、小一郎は「死んで満足するのはお侍だけ」「百姓はどんなに苦しくても、来年こそ豊作と信じて生き抜く」「どうか豊作の世にして下され」と説得します。
また本圀寺の僧侶になりすまして三好三人衆にハッタリをかまし、攻撃を思いとどまらせて時間を稼ぎました。
真に受ける方はいないと思いますが、これらのエピソードは大河ドラマのフィクションであり、そのような史料は確認できません(もしあったらご教示ください)。念のために記しておきます。
ただ物語としては、百姓上がりとして小一郎の訴えたいメッセージが伝わるし、いつ(偽僧侶だと)バレやしないか視聴者の緊張感を高めていました。
要は面白きゃ細かなことは言いっこなしです(言っていたらキリがありませんし)。創作は創作として、これからも楽しんで行きましょう。

