江戸時代の町民の税金ほぼゼロだった!?江戸幕府が“安定する社会”の為に作った経済システムとは
町民はほぼ無税
江戸時代の庶民は、お上に怯えながら細々と暮らしていたイメージが強いですね。
重い年貢に喘ぐ農民の姿と重ね合わせ、町人もまた搾取されていたと考えられがちです。
しかし史実として、江戸の町民は驚くほど豊かな既得権益を享受していました。実は、彼らには土地に対する税金が一切課されていなかったのです。
中世以来、都市の住人は土地について地税を納めるのが当たり前のルールでした。ところが江戸の町民だけは、家康の入国以来、この地税を完全に免除されていたのです。
天保十三年に勘定奉行だった岡本成は、この大らかな税制の理由を書き記しています。
それによると、徳川家が江戸へ入った際、寛大さを示すために地税を取らなかった慣例が、そのまま固定化したのだとか。
家康が江戸に人を呼び寄せるために始めた優遇措置が、数百年続く町民の特権となった上に、江戸時代末期に至るまで、町民たちは一銭の地税も払わずに済んでいたのです。
こうした税負担の軽さが、幕府に対する江戸っ子たちの強い忠誠心を生み出しました。幕末の動乱期においても、町民たちは徳川家への強い支持を崩さなかったと記録されています。
江戸の繁栄は、この大らかな無税政策によって支えられていたといえるでしょう。町には莫大な富が蓄積され、活発な消費文化が花開いたのです。
