江戸時代の農民、実は現代人よりかなり豊かだった!?庶民がお伊勢参りや長期休暇を楽しめた理由:3ページ目
人生を謳歌
農民がこれほど旅を楽しめた理由は、江戸時代の安定した社会構造にあります。戦乱が止んで治安が劇的に改善したことで、当時は五街道などのインフラが完璧に整っていました。
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宿場町には安全な宿が並び、女性一人でも旅ができるほど道中の安全が保たれていたといいます。こうした環境があったからこそ、農民は安心して村の外へ飛び出せたのです。
また、旅は単なる個人的な遊びではなく、地域社会の結束を強める装置でもありました。お伊勢参りの費用を村全体で積み立てる講という仕組みが広く普及していたことも大きいでしょう。
さらに、代表として旅行に行った人が旅の経験を村に持ち帰ることで、最新の情報や文化が共有されましたし、現代風に言えば「研修旅行」的な意味合いもあったことが分かります。。
これで、江戸時代の農民のイメージが大きく覆った人も多いのではないしょうか。農民は決して搾取されるだけの存在ではなく、人生を謳歌する生活者だったのです。
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参考資料:
大村大次郎『脱税の日本史』宝島社、2024年




