江戸時代の農民、実は現代人よりかなり豊かだった!?庶民がお伊勢参りや長期休暇を楽しめた理由:2ページ目
二週間のバカンス
お伊勢参りがこれほど広まった背景には、御師と呼ばれる人々の存在がありました。彼らは全国の村を回り、参拝の勧誘や宿の手配まで行うプロの集団でした。
彼らはいわば、江戸時代の旅行代理店のような役割を果たしていました。農民は彼らの緻密な案内を頼りに、安心して長距離の旅に出ることができたのです。
旅は宗教的な行事という名目でしたが、実態は娯楽や観光の側面が強いものでした。
さらに驚くべきことに、農閑期には温泉へ湯治に出かけることも一般的でした。湯治は泥落としとも呼ばれ、二週間程度の長期滞在が当たり前とされていたのです。
このように温泉地でゆっくりと羽を伸ばし、一年の疲れを癒やす文化は農村に根づいていました。現代のサラリーマンで、毎年二週間の休暇を悠々と取れる人は少ないでしょう。
こうなると、江戸時代の農民の方が、時間の豊かさにおいては現代人より勝っていたと言えるのではないでしょうか。彼らの生活には、豊かな余白がしっかりと確保されていたのです。
