江戸時代の農民、実は現代人よりかなり豊かだった!?庶民がお伊勢参りや長期休暇を楽しめた理由
驚異の生活水準
江戸時代の農民といえば、土地に縛り付けられ搾取される悲惨な姿をイメージするかも知れません。
しかし、当時の記録を分析すると、全く異なる実態が浮かび上がります。実は農民たちは、現代人が驚くほどの時間的・金銭的余裕を持っていたのです。
その象徴が、国民的ブームとなったお伊勢参りです。宝永二年の大流行では、なんと四百万人近くが伊勢神宮を訪れたとされます。
※関連記事:
江戸時代、観光旅行のように楽しんだ参詣。「伊勢参り」はやっぱり町人たちの憧れ
お参りは旅行気分。さて、どこに行く?江戸っ子たちにとって、神仏を拝みに行く参詣は観光旅行のようなもの。道中の景色や名物を楽しみつつ、目的地に向かってひたすら歩き続けます。1日10里(約39㎞)は歩…
一泊900円!格安宿屋”木賃宿”は江戸時代の旅行ブームを支えた縁の下の力持ちだった
前回、『本陣、旅籠に木賃宿…実はいろいろ選択肢があった、江戸時代の宿泊施設』で、格安で宿泊できる木賃宿について、さらりと触れました。この木賃宿は、読んで字の如くポピュラーな燃料費であった薪の代金を支払…
まさに荒行!江戸時代の旅行では1日40㎞も歩く旅人もいた。江戸時代の旅行事情【1】
庶民は旅行禁止の江戸時代、旅に出るための抜け道とは学校では修学旅行、会社では社員旅行、家庭では家族旅行、一匹狼のアウトローには気ままな一人旅と、現代の日本では、観光や旅行は庶民にとって身近な娯楽と…
当時の日本の人口は約三千万人ですから、国民の一割以上が旅に出た計算になります。これは同時代の世界を見渡しても、極めて異例の規模です。
同時代のヨーロッパでは、農民が長距離を移動することなど到底不可能でした。ところが日本では、農民が数百キロの旅に出ることが一般的な文化だったのです。
これは、彼らが旅費を捻出できるだけの経済的余力を持っていた証拠です。
同時に、村の労働を共同体で補い合える高度な社会システムが存在していたことも大きいでしょう。
江戸時代の農民像は、私たちが抱く貧困のイメージとは大きく異なります。彼らは、自らの足で広い世界を見に行けるだけの自由と富を持っていたのです。



