『豊臣兄弟!』直(白石聖)が救った少女は何者?この悲劇は“刀狩り”の複線か?小一郎の後悔と転機:4ページ目
戦国大名による治水対策
「豊臣兄弟!」のドラマでは、兄弟の故郷の為政者は、干ばつによる争いが百姓間で頻繁に起こっている実情に興味を持たなかったためか、統治の仕組みが機能していなかったようです。
『水論』といわれる灌漑用水の田への分配(分水)をめぐる紛争は、当事者の百姓同士で揉めごとを収めることが難しかったため、その地域の支配者層が解決するべく乗り出す必要があったそう。
たとえば、戦国時代、越前で村同士の間で「水論」が発生したときには、戦国大名・朝倉氏の奉行人が解決に乗り出し、それでももめる場合は一乗谷の朝倉氏の元へ訴え出るよう申し付けたそう。
また、武田信玄や上杉謙信などは、治水事業を積極的に行なった武将として知られていますが、信長は軍事や政治改革、土木技術に優れていたことで知られているものの、渇水対策や農民間の水争いを解決するための策に積極的に取り組んだ記録は残っていないようです。
ちなみに豊臣秀吉は、大阪城の築城で、周辺地域の新田開発と洪水防御のために、淀川に太閤堤や文禄堤等を築き淀川の流路を固定させたり、そのほかの治水事業に携わっていました。
直の死がのちの「刀狩り」に繋がる!?
「武将らが領地争いを繰り広げる中、豊臣兄弟の故郷では農民たちの水をめぐる諍いが深刻化。もし、為政者の統治機能が働いていたら、直の悲劇的な死は避けることができたのでは」
SNSやネットの考察記事では、そんな考察がされていました。
為政者が武装百姓同士の衝突を収められなかったことを指摘する声、信長の直管領ではないにしても直属の領主(家臣)の力の無さを指摘する声も。
いずれにしても、出世街道を歩み始めた藤吉郎と小一郎も関心は薄くなっていたことでしょう。
この直の非業の死により、そのことに気が付かされ、問題を直視するときがくるのかもしれません。
▪️直が命がけで救った「農民の少女」は何者か?今後の何かの伏線なのか!?
▪️この時の後悔が、のちの秀吉の「刀狩り」に繋がるのでは!?
と、いう声も見かけます。
小一郎は、あれほど嘆いた農民生活の辛さを忘れ、何の手を打つこともしなかったまま、直を死なせてしまった……という後悔をずっと心の中に抱えていくのではないでしょうか。
それが、これから戦場で戦うことだけではなく、「領民の生活を守ること」を考えるようになっていくのかもしれません。
小一郎は、安藤守就(田中哲司)と対峙した時、「美濃に寝返ってもかまいませぬ。それで皆がよき暮らしができるようになるのなら。願ってもないこと…」と言ってのけましたね。(兄ならそう言うだろうとして)
みなさんの予測通り、この後悔が、約20年後の「百姓が、刀・脇差・弓・槍・鉄砲、その他武具類を所持することを禁ずる」刀狩令(天正16/1588年)に繋がる脚本になるのかも。
直の無念の死が薄れて消えることなく、たとえ正室を迎えようとも(気持ち的に複雑ですが)、民の生活改善に活かされるよう描かれていくのか……この先を見守りたいと思います。
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参考:「気候変動とイノベーション」(東京都市大学環境学部)




