『豊臣兄弟!』妻との絆に涙…いずれ秀吉に仕える大沢次郎左衛門の生涯と、2つの「嘘から出た実」:4ページ目
秀吉の言葉に心動かされて
次郎左衛門の屋敷に信長の書状を持参し現れた豊臣兄弟。何度も同じ書状をもらっているがしつこいと断られます。
ところが、冷静に「いつも断っているのになぜ、このたびは会ってくれたのか。もしやお困りのことがあるのでは」と突っ込む小一郎は鋭い。
“思慮深く観察眼と対人スキルに優れて物事を取りまとめる術にたけていた”のちの秀長を思わせます。
「大沢は織田に寝返る。斎藤龍興は大沢を疑っている」という“嘘”を、“実”にしてしまったらどうだ」と口説きます。自分たちで“嘘”を流しつつ“実”にしてしまいましょうと言ってしまう図太さは、さすが豊臣。これが2つめの“嘘から出た実”。
「信長さまは、あなたさまのような武士(もののふ)が仕えるにふさわしいお方」と熱心に口説きます。
次郎左衛門は「城と領地はこれまで通りにしてくれるのか」と二人に聞き「お約束いたしまする!」と言われて心が動きました。
ところが、せっかく話がうまくまとまりそうな矢先、デマの犯人として、ともの夫弥助(上川周作)が連れてこられてしまいます。
すべて“嘘”と知った次郎左衛門に斬り捨てられそうになり、秀吉は小一郎を庇います。「責めは私が!」と叫び兄らしく弟の命乞いをしますが、斬られそうになった瞬間「やっぱりいやじゃ!死にとうない!」と叫びます。
はぁぁぁ?という表情の小一郎と次郎左衛門。緊迫の場面で、ものすごい笑いを入れてくるのが、このドラマの特徴ですね。
「わしはこの仕事をやり遂げて、侍大将になるのじゃ!そして寧々殿と祝言をあげるのじゃ!わしは寧々殿と夫婦になりたいのじゃ。夫婦になってずっと守っていくと決めたのじゃ」
愚直なまでにどストレートな秀吉の言葉に、次郎左衛門の表情がすっと変わります。脳裡に幸せそうに微笑む妻・篠の姿が脳裡に浮かびました。
およそ侍らしくもない捨て身の秀吉の命乞いと、「惚れた女を一生守りたいから」とどストレートにぶつけてくる勇気に、心動かされます。
思わず刀を下げる次郎左衛門。この言葉には嘘はない……秀吉の言葉こそ「本来は自分自身が守らねばならないこと」だったことが、心にグッサリと刺さったのでしょう。
「強くて大きい主君」に仕えると決心
次郎左衛門はそんな秀吉を許し、帰れというものの、「このまま帰るわけにはいきません。わしは下からはいあがらねばならぬ。わしを信じてこの役目をくれた殿に申し訳がたたぬ」と、自ら人質を申し出て頭を下げる秀吉。
“そこまでしてお支えしたい主君”がいる秀吉に、自分が仕えていた道三を回想する次郎左衛門。
「強く大きい。確かに似ておるの」と道三と信長を重ね合わせ、清洲行きを決めたのでした。
次郎左衛門を連れての帰り道、弥助に「まことに調略を成し遂げるとは!」といわれ、「最後はここじゃ!」と元康の「大事なのはここじゃ(と胸を叩きつつ)!熱意は人を動かす。」の、嘘の言葉を爽やかに真似する小一郎。
この兄弟、また次のステージにあがりましたね。
次回、次郎左衛門の従者が毒を含んだ武器を持っていたことが前田利家によって判明、次郎左衛門は殺されそうになるという不穏な展開です。
史実では76歳まで生き延びた次郎左衛門。たぶん、小一郎は信長に「大沢を殺せ!」の詰め寄られても、鵜沼城に人質として残っている兄の命を救うため、身を挺して次郎左衛門の身を守る展開になるのではないでしょうか。
熱くて深い夫婦の絆と主君と家臣の絆、たとえ“嘘”でも愚直なまでに信じて自分の力とし“実”にする熱意……笑いと涙の痛快な回でした。
次回2月15日放送のあらすじ&場面写真はこちらを参照

