『豊臣兄弟!』妻との絆に涙…いずれ秀吉に仕える大沢次郎左衛門の生涯と、2つの「嘘から出た実」:3ページ目
何度もすげなく断った誘いを受けた理由
秀吉と小一郎が、姉妹の夫を使って「大沢は斎藤を裏切り織田につく」という噂を流したせいで、次郎左衛門は斎藤龍興(濱田龍臣)に疑われてしまいます。
もともと、道三を慕い美濃を守るべく支えてきた次郎左衛門は、龍興には苦言を呈していたので、煙たい家臣だったのでしょう。龍興は「妻・篠を人質に城へ連れてこい」と命じます。
屋敷の庭で礫の練習をする次郎左衛門に、「お上手ですこと」と、声をかける篠。
「今日は起きていいのか」と病弱な妻を気遣う夫に、妻はにこやかに「もう一度見せてください」といいます。
練習をしながら、「礫の能力を評価し、大沢の婿になりこの城の主人になれたのも、あの方(道三)のおかげじゃ」という夫。
数十年前と思われる回想シーンで、初めて今の屋敷に夫婦で来たとき、「ついにやったぞ!これからはわしとお前の城じゃ」といい、「何もないわしに今日までようついてきてくれた。これからはわしがお前の望みをかなえる番じゃ。」と、なんでも言ってくれという夫。
なんて、素敵な夫。髭面の強面なルックスですが、妻を愛しリスペクトし大切に守っている(というキャラ設定がいい)のがひしひし感じます。
「それでは…」という妻。
「ん?何じゃ、何じゃ?」という次郎左衛門が、あまりにも優しくてぐっとくる場面でした。「いつまでもおすこやかでいてくださりませ」という篠に、「ん」と答えて幸せそうな笑顔の二人。
ところが、場面が“現在”に切り替わります。
昔を回想しつつ、顔を伏せ暗い表情で手に握った礫を見つめ、「こたびのこと、あいすまぬ」と妻に言う次郎左衛門。
幸せにするはずだった妻なのに人質として差し出さねばならない。その無念さや切なさが胸に刺さりました。
「わかっております。お力になれるのであれば喜んで稲葉山にまいります」と、微笑む篠。
己の無力さに苦しむ夫だからこそ助けたいという篠の「わたくしにおまかせくださりませ」な想いが伝わってきました。
個人的に、「豊臣兄弟!」で初めて涙したエピソードでした。この夫婦に絶対に幸あれ。
