『豊臣兄弟!』いずれ訪れる悲劇…戦国一の美女・お市(宮﨑あおい)登場!願いの鐘に託す姉・妹の祈りを考察:3ページ目
お市が心の中に秘めている「苦しさ」
お市は、藤吉郎に「退屈というのは嘘じゃ。本当は苦しいのだ。兄妹というのは不思議。分かりたくなくても、なぜか相手のことがわかってしまう」と胸の内を明かします。
「私が今苦しいのは、多分兄上が苦しいからじゃ。」と。
気丈なお市は、兄上は強いから大丈夫だと信じているものの、やはり心は揺さぶられてしまっているはず。
突然の戦や身内の裏切りなど、常に死と隣り合わせの戦国時代。強い兄とはいえども、災いはいつ起こっても不思議はない。戦いに行く兄を見送る苦しさ。
自分の領地を荒らし敵対するものは、民を犠牲にしても徹底的に己の力を見せつけなければならないという、言葉には出さないまでも信長なりの苦しさがあることも、察知しているのでしょう。
“「願いの鐘」を鳴らしてみたい”のは、兄の勝利と無事への祈りという切実な本音だったのではないでしょうか。
この「願いの鐘」はラストの伏線になっていたようです。
一方、小一郎の村では幼馴染で初恋の相手である直(白石聖)が祝言をあげることに。ところが、直は花嫁衣装のまま小一郎のもとへと逃げ出してきて、「一緒にこの村を出よう」と言います。
その矢先、村は野盗とさらに残虐さを増した野武士集団に相次いで襲われてしまうのでした。小屋に隠れ難を逃れる二人でしたが、多くの村人や友人が犠牲になってしまいます。
まじめに農業に励んでいるだけなのに、力がなければ野盗に奪われ殺されるだけ。
「植えたばっかりの苗、守ろうとして」野武士に首を落とされ亡くなった友人。
「わしらが何をした。偉そうなこというて信長はちっともわしらを守ってくれない。わしらが米を作らなければ生きていけんくせに。」
「わしらのことなんじゃとおもってるんじゃ」
戦の陰で犠牲になるのは庶民という、現代にも通じる怒り。泣きながら友人の首を抱いて叫ぶ言葉が胸に刺さりました。
自分の無力さに絶望した小一郎。藤吉郎に「侍になれ」と説得されます。
