『べらぼう』本は総合芸術!壮大な夢噺のラスト飾る“屁”の大合唱!爆笑と号泣の賑やかな最期【後編】:4ページ目
「この続きが見てえ」「なら死ぬな」
さらに、歌麿が『山姥と金太郎』の絵を持ってやってきます。「山姥も歌麿が書けばこうなるのか」と感心する蔦重。
「新しい女絵だ。次は、話の中の女を生身のように描いてみる」と歌麿。「おっかさんと俺を描いたんだ。“おっかさんとこうしたかった”というのを絵に託してみたい。」と言います。
「でぇじねえのか?」と心配する蔦重。虐待母親との過去を引きずり苦しんでいた歌麿を心配した兄の言葉です。けれど、屈託のない歌麿の笑顔にほっとします。
この先見たかねえか?
この二人が、この先どうなっていくのか。
ただの幸せな母子では終わらないかもしれません。
見てえ。
なら死ぬな。
合点承知。
歌麿ならではの、励まし方でした。
チーム蔦重が力を尽くした本が耕書堂の店頭に並びます。呼び込みをするみの吉(中川 翼)も、すっかり二代目にふさわしい貫禄が身についてます。
かたや、蔦重は激痩せしたいかにも重病人の様子ながら、ていと一緒に本を売り捌きます。「病気を餌に本を売りまくり」のナレーションには笑ってしまいました。
死にそうな姿で本を売る自分を客にアピールするのは蔦重らしい戯け。もちろん、残されるていのため、店の存続のため、たくさん稼ぎたかったのでしょう。
ある夜、拍子木の音とともに巫女姿の九郎助稲荷(綾瀬はるか)が蔦重の前に登場。
「今日の昼ここのつ、午の刻に迎えにまいります」「合図は拍子木です」と伝えます。
これは蔦重の見た夢という設定。

