【べらぼう】ダサい?江戸時代の人はアノ髪型(月代)をどう思っていた?その語源と歴史
NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」も最終盤ですが、皆さんも楽しんでいますか?
余談なのですが、視聴者の方よりこんなご意見をいただきました。
「江戸時代の人は髪型がダサ過ぎる。蔦重役の横浜流星がかわいそう」とか云々。
額の上から頭頂部まで剃り上げて、残った髪を後頭部で束ねるというヘアスタイルは、確かにインパクト強烈です。
なぜこのような髪型になったのか?今回はその謎に迫ってみましょう!
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月代の語源
頭部の中央を剃り上げて両脇の髪を髷(まげ)に結う髪型は、剃り上げた中央部分(前頭部~頭頂部)の名前にちなんで月代(さかやき)と呼ばれます。
又の名を野郎頭(やろうあたま。男性特有の髪型だから)とか半髪頭(はんぱつあたま。髪の半分を残す髪型だから)などとも言いました。
髷をほどいたいわゆる「落ち武者スタイル」は童髪(わらわがみ)と呼ばれ、これが大童(おおわらわ。髪を振り乱し、なりふり構わない様子)の語源となっています。
ちなみに月代(つきしろ)と書いて「さかやき」と読ませる理由は諸説あるそうです。
月代とは夜明け前の白んだ空、転じて頭髪を剃り上げて色が薄い部分を指し、さかやきは頭に逆上する気を抜くサカイキに由来すると言います。
……『さかいき』と云ふは、気さかさまにのぼせるゆえ、さかさまにのぼするいきをぬく為に髪をそりたる故『さかいき』といふなり……
※伊勢貞丈『貞丈雑記』
それで月代と書いて「さかやき」と読むようになったのですね。
戦場で兜をかぶっていると、頭髪で頭が蒸れたり意識が朦朧としたりします。それを防ぐ目的で、武士たちは月代を剃ったのでした。
…… 戦の時、常にかぶとをかぶり気のぼせて煩う事あるによりて、頭の上を丸く中ぞりをしけるなり……
※伊勢貞丈『貞丈雑記』

