江戸時代、盗賊たちはどんな方法で窃盗を行っていたのか?手口と犯行の実態を解説:2ページ目
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押し込みの手口
一方で鼠小僧とは異なり、押し込みは豪商や豪農、土蔵、寺社などを狙います。
金を溜め込んだ大店の商家などでは、戸締りや建物の防犯設備も充実しており、時に用心棒も雇われていました。よってこれを破って盗みに入るには人数が必要だったのです。
押し込みの手口は『鬼平犯科帳』に描かれているようなスマートなものではありませんでした。
同作では引き込み役に内側から戸を開けさせたり、あらかじめ用意した合鍵を使ったりする手口がよく描かれています。
もちろんそういうやり方もありましたが、現実にはそんなのはごく少数でした。
実際には戸口を無理やりこじ開けることが多かったようで、侵入すると家の者を縛り上げて金のありかに案内をさせたりしたのです。
盗むものは反物や衣類などで、換金できるものは根こそぎ取っていきました。
ちなみに『鬼平犯科帳』では盗賊団が押し込み後に船で逃走するシーンがしばしば描かれますが、実はこれは理に叶っています。
一番のお宝である千両箱は約1.5キログラムもあり、これを運びながら徒歩で逃走することは難しいからです。
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参考資料:縄田一男・菅野俊輔監修『鬼平と梅安が見た江戸の闇社会』2023年、宝島社新書画像:photoAC,Wikipedia
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