【べらぼう】三人の女、つよ・てい・そして歌麿…そうきたか!歌麿の心情に視聴者もらい泣き:4ページ目
人抱え 初めてわかる 父母の恩
米は値上がりする中、つき合いが商売につながるから食客を養うのはやめられない……ここが他の板元とは異なる蔦重の魅力でした。
……唐丸(蔦重)は頗(すこぶる)侠気あり。故に文才ある者の若気に放蕩なるをも荷担して、又食客となして財を散ずるを厭はざれば、是がために身をたて名をなせし人々あり。蜀山老翁うた麿馬琴抔其中也。又己が名をあらはれたるも其人によりてなりとぞ……
※『戯作者小伝』より
【意訳】蔦重はとても男気があり、才能ある者たちと一緒に遊び、また食客として養うことを厭わなかった。そのお陰で成功できた者もいる。大田南畝・喜多川歌麿・曲亭馬琴などは代表であろう。また蔦重自身も彼らの貢献によって成功できたのである。
まさに共存共栄の関係だったと言えますが、日々の食事代は蔦重が負担してやらねばなりません。
人を抱える身になって、初めて自分たち捨て子を養ってくれた駿河屋市右衛門(高橋克実)やふじ(飯島直子)のありがたさを感じる蔦重でした。
ていが劇中で「鳩に三枝(さんし)の礼あり、烏に反哺(はんぽ)の孝あり」と言っていましたが、これは親に対する恩返しを示す言葉です。
ハトは親より枝三本下にとまって敬意を示し、カラスは年老いた親のためにエサをとってきてあげるのだとか。
日本橋に進出して、ますます成功する蔦重。年老いた親たちに孝行する段階に入ってきているのが感じられます。
