
大河「べらぼう」二大人気キャラ!輝きを増した癒しの「次郎兵衞兄さん」とずっと探され続けた「宝暦の色男」の魅力【前編】:3ページ目
流行り物が大好きな兄さんが過去一輝いた「俄(にわか)祭り
次郎兵衛兄さんは、流行り物好き、お稽古事好きな人独特の「品の良さ」を感じます。いつも、洒落た着物を着こなしているのも特徴です。
前回の第11回「富本、仁義の馬面」では、当時のトップスター「馬面太夫」こと富本豊志太夫/午之助(寛一郎)が中心となり「富本節」を巡る物語が描かれました。
遊女たちの前で、太夫と歌舞伎役者の市川門之助(濱尾ノリタカ)が富本節を即興で演じ、皆が涙を流すという心に刺さるシーンが印象的でした。
そして、次郎兵衛兄さんの「俺もしょっちゅう(富本節)やってんじゃない!」というセリフに「あれ、そうだったんだ」と思ったのは間違いなく蔦重だけではなく全視聴者が思ったはずです。
最近、ドラマの中でBGMのように次郎兵衛兄さんが店先で三味線を弾いていたのは、「この前フリだったのか」との声が上がるほど、誰も兄さんが唄っているのが馬面太夫の「富本節」だとは気が付かなかったようです。
以前、店の中で三味線を弾きつつ気持ちよさそうに調子ハズレの唄を披露している様子を見ている人に、「付き合わなくていいっすよ!」などと、蔦重が雑な扱いをしていたのも思い出されました。
ドラマでは、三味線を弾き富本節を唄う次郎兵衛兄さんの回想シーンが始まるのですが、第一声でブツっと秒で切られてしまう編集に大笑いした人は多かったようです。
そんな不動の癒しキャラとして脇を固めていた次郎兵衛兄さんですが、第12回「俄(にわか)なる『明月余情』」では、吉原で行われる「俄(にわか)祭り」にて口上を述べるという大役を務めます。
「ついに自分が目立つときが来た!」とばかりに、浮かれて見える次郎兵衛兄さん。薄紫の縞の着物に白いに蔦の紋が入った肩衣が、いつもの若旦那姿よりもキリッとしてかっこよく、キラキラと輝いていて一番祭りを楽しんでいるのが微笑ましかったですね。
いつもはのんびりゆったりした動きをする次郎兵衛兄さんが、祭りとなるとたくさんの荷物を背負って店を出ていっただけあり、口上だけではなく、花笠を被って雀踊りを踊ったりとすべての演目に登場したようで、今までのドラマの回の中で一番動いていました。
大文字屋と若木屋のダンスバトルになり争いごとは好まない兄さんが、疲れもあったのか「もう、やだ…」と言いつつ帰ってしまったようですが、誰よりも楽しそうに「俄祭り」を楽しんでいる姿が印象的でした。
「兄さんが楽しんでいる!」「輝いている!」「兄さん大活躍だ!」と、SNSでも大絶賛されてた次郎兵衛兄さん。仕事はからきしだけれども、仕事以外のことで才能を発揮している兄さんはファンが想像していた通り、今回も株を上げていました。
いつも全力で走り抜け、壁にぶつかっては立ち上がり次の壁にまたぶつかるという忙しい蔦重をこれからどのように支えていくのか、どんなビジネスヒントを与えていくのか、そしていずれは引手茶屋を任されていくのか、次郎兵衛兄さんから目が離せません。
【後編】では、次郎兵衛兄さん同様に、初回から注目されていた「宝暦の色男」と呼ばれる朋誠堂喜三二(尾美としのり)について探ってみたいと思います。
【後編】の記事はこちら↓
大河『べらぼう』ずっと探され続けた「宝暦の色男」(尾美としのり)&輝き増した「次郎兵衞兄さん」(中村蒼)が魅力的な理由【後編】
トップ画像:NHK大河「べらぼう」公式HPより