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大河「べらぼう」繁盛しても地獄の吉原。五代目・瀬川花魁(小芝風花)の運命を左右した3冊の本【前編】

大河「べらぼう」繁盛しても地獄の吉原。五代目・瀬川花魁(小芝風花)の運命を左右した3冊の本【前編】:2ページ目

瀬川が何度も読み返す本は蔦重から貰った宝物

休みなく客を取らされ疲労困憊の瀬川は、束の間の休み時間、幼い頃に蔦中がくれた赤本(※)『塩売文太物語』を読みます。

「塩売の文太夫妻の一人娘・小しおは心優しい娘で、文太が預かっていた大宮司のオスのオシドリが一羽だけで籠に閉じ込められているのを、恋人と別れた我が身と重ねて不憫に思い籠から放つ。その後いろいろな体験をするも、おしどりの恩返しもあり恋人と再会し幸せになる」という内容です。

最終的に「良縁に恵まれる」話なので、祝儀物として婦女子から歓迎され、嫁入り道具の1つとして重宝されていた本だそうです。

蔦重が「自分の宝物」と言ってくれた本を手に取るひとときは心が安らぐからか、それとも「どうにもならない境遇でも、ある日奇跡が起こり抜けだし、想い人と添い遂げられる」という本の内容に希望を感じるのか、何度も読んだのでしょう。その赤本はくたびれていました

※赤本:表紙が赤い本のことで、子ども向けの絵本の一種。

3ページ目 瀬川の運命を大きく変える鳥山検校との出会い

 

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