
気になる唐丸の過去と今後…【大河ドラマべらぼう】2月2日放送回の振り返り&解説:2ページ目
暖簾分けって?
鱗形屋孫兵衛に奉公して、暖簾分け(のれんわけ)で本屋の株を得ようとする蔦重。
暖簾分けとは奉公先から独立することを言い、奉公先のノウハウやコネクションを活かせるメリットがありました。
劇中「気の長い話」と言っていましたが、奉公に出てから暖簾分けされるまで通常10年、長ければ20年の歳月を要する事例もあったようです。
※熟練を要する業界では、奉公先のブランドを継承するレベルの技術を習得するために、そのくらいはかかったのでしょう。
ちなみに令和の現代でも一部業界(例えばラーメン屋など)では暖簾分けが行われており、こちらは早いと3~5年で独立できると言います。
果たして蔦重は、本屋として暖簾分けしてもらえるのでしょうか。
書物問屋と地本問屋の違いは?
蔦重が本屋の株を買いたいと言ったら、書物問屋ならともかく、地本問屋にそんなものはないと笑われてしまいました。
この書物問屋と地本問屋の違いは何でしょうか。
ごくざっくり言えば、書物とは漢籍や学術書、仏教書など「お堅い」書籍を指します。一方で地本とは大衆向けの娯楽がメインでした。
また地本という名前は「地元で作った本」という意味です。上方(京都・大阪方面)から下ってきた下り本に対して、江戸でも出版が盛んになってきたことが分かります。
下り本は運送コストなどが上乗せされますが、地産地消の地本は安く手に入るので人気でした。
書物問屋は書林(しょりん)や書肆(しょし)などとも呼ばれ、現代でも本屋一般や書店名に名残が見られます。