
あえて売らない蔦重の営業戦略!”カモ平”の魅力上昇!【大河べらぼう】1月19日放送の解説・振り返り
福内鬼外こと平賀源内(安田顕)の序によって、吉原細見『嗚呼御江戸』は確かに売れた……が、吉原遊郭の集客にはつながりません。
何とか吉原遊郭に客が足を運びたくなる本を出したい……試行錯誤の末に作り出した『一目千本』。女郎を活花に見立てる独創性と、あえて本屋で売らない営業戦略が奏功し、みごと吉原の活況を取り戻したのでした。
一方そのころ、江戸城では田沼意次(渡辺謙)らと松平武元(石坂浩二)らの政争が続き、田安賢丸(寺田心。松平定信)の養子問題が波紋を生じています。
困難にあっても挫けることなく創意工夫を続け、書肆(しょし。本屋)として着実に成長していく蔦屋重三郎(横浜流星)。その姿に多くの視聴者が元気づけられたのではないでしょうか。
それでは今週もNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第3回放送「千客万来『一目千本』」を振り返っていきましょう!
なぜそこまで?駿河屋市右衛門の怒り
田沼屋敷へ乗り込んだ蔦重に対する制裁(第1回放送)は当然として、吉原細見の改(あらため)にまで怒りを見せた駿河屋市右衛門(高橋克実)。
本業の引手茶屋に支障が出ているならともかく、なぜそこまで怒るのでしょうか。
劇中では松葉屋さんが「可愛さ余って憎さ百倍」と表現していましたが、
①実子である次郎兵衛(中村蒼)のボンクラぶりが浮き彫りになって苛つく。
②他業で才能を開花させると、独立してしまうかも知れない。
要するに、こんなところだったのかも知れません。
実際のところ、市右衛門が蔦重に駿河屋か蔦屋のどちらかを継がせたかったのでしょう。
それならそうと伝えておけば、そもそも蔦重も出て行く心配もなかったと思いますが、本作では不器用な父親が描かれていました。
2ページ目 入銀で本を出した蔦重 〜 『一目千本』ヒットの理由