吉原遊女に必須なのは教養!大河『べらぼう』で蔦重が営む貸本屋が遊女に大人気だった理由とは?:2ページ目
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洒落本から本格軍事物まで幅広い本を好んだ
蔦重が遊女たちに貸していた本には以下のようなものがあります。
たとえば、明和7年(1770)に刊行された、洒落本夢中散人寝言先生『辰巳之園』(たつみのその/たつみのえん)。
知ったかぶりで通人をきどった如雷という侍と田舎侍の新五左衛門が、深川仲町の引手茶屋に遊びに行くものの、遊女に袖にされたうえ、その遊女は本当の通人・志厚の待つ横座敷が待っている座敷に逃げ込んでしまう……という深川遊びを面白おかしく描いた最初の洒落本です。
また、石山本願寺と織田信長の戦いを描いた本格的な軍記『石山軍記(軍艦)』も人気がありました。信長が勢力を拡大していく過程や本願寺の歴史などを盛り込んだ計六十五巻にも及ぶ大作です。
遊女たちは、客との会話に困らないよう流行の歴史ものなどはしっかり読んでいたそう。
当時、吉原の遊女たちの識字率は高く、ほぼ全員が読み書きができたともいわれています。
特に妓楼では遊女の手習い(習字・文字を書く)に力を入れていました。
なぜなら、SNSなどない時代、手紙は重要な営業手段だったから。
客の心を繋ぎ止めてまた自分の元に通ってもらうため、男心をそそるような文章を……と力を入れていたそうです。
次回の記事では、ドラマの中で、下層階級の遊女になり病に冒された遊女・朝顔に蔦重が読み聞かせをした書籍、『根南志具佐(ねなしぐさ)』についてご紹介します。
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