
斎藤一とは別人!幕末期、なんと56歳で新撰組に入隊した僧侶・斎藤一諾斎の生涯をたどる:2ページ目
甲陽鎮撫隊への入隊を一諾?
ここまで斎藤一諾斎の経歴を見てきても、新撰組との絡みなんて一切見られません。普通に考えれば、このまま僧侶として天寿をまっとうしそうな感じですが……。
一諾斎が新撰組に入隊したのは慶応4年(1868年)3月。新撰組が京都を追われて江戸へ逃げ帰り、甲陽鎮撫隊を編成して甲府の制圧に向かっていた時でした。
隊士「ご住職様も、どうかお力添えください」
「承知した!」
隊士の勧誘を一諾(一発で快諾)したので、号を一諾斎と呼んだとかどうか。
あるいは日頃から、頼まれごとは何でも一諾していたのかも知れませんね。
しかし一諾斎はこの時点で56歳。これまで武芸を修めてきたとも聞きませんし、第一線で戦えるとも思えませんが……。
(前年に入隊していたとの説もあるようですが、大して変わりません)
老齢にさしかかった僧侶まで動員したいほど切羽詰まっていたのでしょうか。
あるいは地元で人望がある一諾斎を通じて、檀家などの入隊を期待したのかも知れません。