大河ドラマ「光る君へ」の主人公・紫式部は本名ではなかった!では本当の名前は……?【前編】:2ページ目
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由来が分かる人、不明の人
ちなみに、父親が式部省の役人だったという点は、歌人の和泉式部も同様です。では和泉の字はどこから来たかというと、これは夫が「和泉国」の国司だったことに由来します。
また、和泉式部の同僚の赤染衛門の場合は、「赤染」は母親の再婚相手の苗字に由来し、さらにその再婚相手の男性が衛門府という役所に仕えていたため「衛門」がついたのでした。
このように、『光る君へ』に登場する主要な人々の名前(呼称)の由来はある程度はっきりしているか、もしくは推測が可能です。
ただ、分からないのが清少納言です。清少納言と言えば、言わずと知れた『源氏物語』と並ぶ平安期の女流文学作品『枕草子』の作者ですが、彼女の名前の由来ははっきりしません。
清少納言は苗字が清原なので、「清」がそこから取られたのはすぐ分かります。しかし「少納言」が分かりません。少納言は天皇のもとで働く官職の一種です。が、彼女の周囲には、少納言に該当する人がいないのです。
よって、清少納言については本名も不明、呼称の由来も不明と、謎に包まれています。
【後編】では、さらに紫式部の娘などについても解説します。
【後編】の記事はこちら
大河ドラマ「光る君へ」の主人公・紫式部は本名ではなかった!では本当の名前は……?【後編】
分からない本名【前編】では、紫式部やその周辺の「女房」たちの呼称は本名ではないこと、そしてそれらの呼称はどのようにどのように決まっていたのか――について解説しました。[insert_pos…
参考資料:
歴史探求楽会・編『源氏物語と紫式部 ドラマが10倍楽しくなる本』(プレジデント社・2023年)
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