万葉集に29首も収載、熱烈な恋の歌を贈り続けた歌人・笠郎女(かさのいらつめ)とは?:2ページ目
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笠郎女は大伴家持にどんな歌を詠んだのか?
笠郎女は大伴家持に一体どのような歌を贈ったのでしょうか。29首すべてを紹介することはできませんが、いくつかピックアップしてご紹介します。
託馬野に 生ふる 紫草 衣に染め いまだ着ずして 色に出にけり(395)
(託馬野に生えているという紫草で衣を染めるように、まだ着ていないのに早くも人目についてしまいました(私の恋は))
こちらは笠郎女は大伴家持に贈った3首の恋歌のうちの1つです。「家持という紫草で笠女郎の心が染まった」、「まだ恋が成就していないのに人に知られてしまった」という意味だとされています。隠すことのできない彼女の想いが伝わってくるような気がしますね。
我が形見見つつ偲はせ あらたまの年の緒長く我も思はむ
(私の形見を見ながら私のことを思い出してください。長い年月を経ても私もあなたを思っていますから)
こちらは笠郎女が大伴家持に贈った24首の相聞歌のうちの1つです。ここでの形見は「生きている人を思い出すためのもの」という意味です。大伴家持が彼女のことを思い出せるように何か物と一緒に贈ったのではないかと想像できます。
いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも日本文化や歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
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