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大河ドラマ「どうする家康」史実をもとにライター角田晶生が振り返る どこまでも正直一筋!徳川家康を感心させた「仏の高力」高力清長のエピソード【どうする家康】

どこまでも正直一筋!徳川家康を感心させた「仏の高力」高力清長のエピソード【どうする家康】:2ページ目

「まったく、律義なヤツだ……」

家康は呆れるやら感心するやら。ただし年貢を受け入れる当局としては、手続きが煩雑化するので面倒がったのではないでしょうか。

「やれやれ、別に米が足りない訳でもないのだから、高力家で処理してくれた方が楽でよいのに……」

そんな清長の正直ぶりは朝鮮出兵(文禄の役。天正20・1592年~文禄2・1593年)においても発揮され、軍船の建造を担当した清長は「御屋形様のご負担を少しでも減らさねば」とばかりコスト削減を達成。

果たして節約できた黄金20枚を家康に献上しました。ふつう与えられた予算は目一杯使い切るか(そうでないと、次から予算をカットされてしまうから)、あるいは手元にプール(ストック)しておいて次なる無茶ぶりに備えるのが役人の知恵というもの。

「どこまでも律儀なヤツめ……とは言え、いちいち返納を受け付けるのも面倒なので、正直の褒美としてくれてやれ」

家康は呆れるやら感心するやら……かくして清長は節約した黄金20枚を賜ったということです。

終わりに

こんな調子で正直一筋に生き抜いた高力清長は慶長5年(1600年)に隠居して、嫡孫の高力忠房(ただふさ)に家督を譲ります。

そして慶長13年(1608年)1月26日に世を去りました。享年79歳。その墓所は浄安寺(埼玉県さいたま市)にあり、今も人々の暮らしを見守っているそうです。

NHK大河ドラマ「どうする家康」には登場するでしょうか。するとしたらキャスティングにも注目ですね!

※参考文献:

 

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