「鎌倉殿の13人」破れて砕けて裂けて散るかも…第39回放送「穏やかな一日」振り返り:5ページ目
穏やかじゃない和田義盛と三浦義村
「変わっちまったなぁ、鎌倉も、お前も!」
上総介(国司※)に推挙してもらう話をつぶされ、更には実朝に対する「ウリン(羽林)」呼びも禁じられてしまった和田義盛。
(※)原則として介(すけ)は国司の次官ですが、上総国は親王任国(皇族が名目上の国司となる国)であるため、介が実質的な国司(長官)となります。
かつて上総介広常(演:佐藤浩市)が頼朝に対して「ブエイ、ブエイ(武衛)」と親しく呼んでいた時代が遠く過ぎ去ってしまった寂しさを実感します。
「古株の御家人をないがしろにすると痛い目を見るってことを、思い知らせてやる!」
昔気質の振る舞いが御家人たちの人気を集めている義盛。さすがはバカ……ずを踏んでいるだけあって、その強さは今や坂東随一(他の強豪たちは、軒並み滅ぼされました)。
「……確かに」
巴御前(演:秋元才加)と三人で鍋を囲む三浦義村(演:山本耕史)も、義時に守護職を奪われそうで不満を募らせています。
今まで義時の盟友として協力してきましたが、今回の件はあんまりです。国司(北条一門ら)はそのままで、守護職(義村ら御家人たち)は2年ごとに配置換えして力を削ぐ。
どこまでも北条一族だけがいい思いをする義時のやり方は、まるで「平家にあらずんば人に非ず」と、かつての平家を彷彿とさせるようです。
ちなみに、八田知家(演:市原隼人)が(いつものように胸元をはだけながら)大工仕事をしながら「北条じゃないと、国司にはなれねぇのか」と政子(演:小池栄子)に伝えるシーンがありました。
しかしこの時点で知家は筑後国(現:福岡県南部)の国司(筑後守)を務めているなど、決して北条だけが権力を独占していた訳ではありません。念のため。