「鎌倉殿の13人」破れて砕けて裂けて散るかも…第39回放送「穏やかな一日」振り返り:2ページ目
平盛綱と改名、ちゃっかり御家人に成り上がった鶴丸
「いつまでも鶴丸(童名)では具合が悪かろう。諱(いみな。実名)をつけてやろうか」
義時が鶴丸(演:きづき)に与えた名前は平盛綱(たいらの もりつな)。泰時の家司として活躍した御家人で、その子孫は鎌倉幕府の内管領として得宗家をもしのぐ権勢を誇ります。
「鎌倉に(かつて源氏に滅ぼされた)平家ゆかりの者がいる。これこそ天下泰平を表しているではないか」
前に太郎が「天下泰平の泰」をとって頼時から泰時に改名させられたことを受け、これで泰平が揃いました。
盛は平家一門の通字(例:平清盛、平宗盛など)、綱は太郎を助ける命綱。「縄のようなもの」よりはるかに頼もしいですね。
……ちなみに、これらの設定はフィクションです。平盛綱はれっきとした平家一門の末裔(『尊卑分脈』によれば平清盛の曾孫)に当たりますが、まぁその辺はドラマの都合でご了承下さい。
で、せっかくだから御家人にして下さい!との要望を受けた義時は(自分の権勢を持ってすればゴリ押しできる)と呼んでこれを請け合います。
「今日の弓射大会に紛れ込んで、いい成果を出せたらかけ合ってやる」
張り切った鶴丸改め平盛綱は、果たしてチームの勝利に貢献。泰時と抱き合って喜びますが、これを嫉妬?した実朝は、目ざとく盛綱の存在を訝りました。
(日ごろから御家人ひとり一人をよく見ていて、紛れ込んだ見慣れぬ盛綱に違和感を覚えたのでしょうが、泰時への思いを知ってしまうとどうしてもそう見えてしまいます)
そして義時の要望(盛綱を御家人に取り立てる件)を一度は毅然と拒否したものの、義時は「私はもう要らないようなので、伊豆に帰っていいですね」と脅しをかける始末。
「私が間違っていた」
可哀想に、まだ10代の実朝はすっかり動揺して義時の要求を聞き入れてしまいました。
「鎌倉殿が一度口にしたことをくつがえしては政の根本が揺らぎます。以後、私のやることに口を挟まれないように」
とんでもない話ですが、時に鎌倉殿の周りには基本的に誰も控えていないのでしょうか(あまりに一対一で話すことが多いので、セキュリティ面でも違和感は否めません)。