「鎌倉殿の13人」ついに比企一族の滅亡。頼家が目を覚ますと…第31回放送「諦めの悪い男」振り返り:2ページ目
この顔、前に見たような…頼家を診察する医師・佐々木善住
「フフフ、その節は祖父・佐々木秀義がお世話になりました」
「望みはございます。汗をかかれておられる。汗は生きようとする証し。吉兆にございます。今、申し上げられるのはそれだけ」
佐々木秀義(演:康すおん)と言えば、かつて頼朝が挙兵する際に息子たちと共に駆けつけたあの言語不明瞭なおじいちゃん。その孫・佐々木善住(ささき よしずみ/ぜんじゅう)として一人二役の再登場です。
※佐々木秀義の生涯:
【鎌倉殿の13人】名演技が話題!康すおん演じる老将・佐々木秀義、実際はどんな生涯だったのか?
名医としての評判が高かったと言いますが、『吾妻鏡』を見る限り彼が頼家を診察したとの記録は見当たりません。
恐らく演者さんの名演技を惜しんだ当局が、視聴者の反応もよかったので組み込んだのでしょう。
時政「おぅ、佐々木の孫か!」
少なからぬ視聴者がそんなリアクションを見せたことと思われます。
それはそうと、頼家の病床はかつて頼朝が亡くなった同じ場所(当たり前ですが)であり、縁起が悪いと移動が提案されました。
比企か、北条か……結局、中立的な大江広元(演:栗原英雄)の館へ移すことに。
劇中「先年妻に先立たれまして」と言っていましたが、『吾妻鏡』を見る限り、広元の正室である多田仁綱(ただ のりつな)の妻が亡くなったとの記録は見当たりません。
なのでこれは特にストーリーと関係のないセリフの埋め草(あるいは応対が至らなかった時の保険)と考えられます。
そもそも、広元ほどの身分であればもろもろの世話を妻が一手に引き受けることもないでしょうし、雑色でも数名雇えばすむ話。
しかし縁起を担ぐためとは言え、重病人を動かしてしまって大丈夫なのか、と気にはなるところです。