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どんな痛みなの?癇癪もち、癪に触る…女性特有の病気とされた「癪(しゃく)」って何?:2ページ目
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男の病気「疝気(せんき)」
逆に男性のみに起こる病とみなされていた「疝気」というのがありました。
主に下腹部に走る腹痛のことで、これも男女ともに起こりえるのですが、なぜか男性特有の病気とされてきました。
当時の見立てとしては
- 寒さと関係があり、漢方では大小腸・生殖器などの内臓が発作的に痛む病気。
- 睾丸が腫れてくる。腸が睾丸に降りてきて大きくなってしまう、脱腸の一種。
西洋医学が流入する前は、日本では病気は「さまざまな虫」が起こすと思われていたので、疝気の虫は睾丸に存在していると思われていました。
なので、「きんたまは疝気の虫の下屋敷」という川柳も。
どうでもいいけど、なんでも歌に詠みますねえ…。
結局疝気も、その当時は患部の特定ができなかったため、下腹部一帯の痛みを広く指す症状と捉えるしかなさそうです。
ちなみに、この疝気をまじないで治す方法が過激。まず、細かくした灰を箱の中に入れ、尻をまくってその上にあぐらをかきます。すると睾丸が灰に当たるので、その跡が残った箇所にお灸を据えるというもの。めちゃくちゃ熱くて失神しそうじゃないですか?!
この方法が効いたのかどうかは、わかりません。
疝気は奉公人の仮病、癪は遊女が男性の気をひく口実に使われたようです。
「疝気、下風は奉公の道具」(疝気は奉公人が仮病などに使う方便)
「傾城の癪 人を見て おこる也」(遊女が嫌な客を断るときに癪を言い訳にする)
癪も疝気も、とっても身近なものだったことがわかりますね。
参考:病が語る日本史(講談社、酒井シヅ)
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